平成30年3月11日
心静かに黙祷。
東日本大震災から丸7年。
今年も3月11日が来ました。
あの日のことは何年経とうとも忘れられない出来事です…。
お亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げますとともに、
被災された皆様とご家族の方々に心よりお見舞い申し上げます。
震災から7年目となるこの1年は、
湊水産にとって、まさに「結」の1年でした。
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2016年4月から事務所の脇ではじめた、水産会社としては宮城県初の事業所内保育。
それを機に製造スタッフを2人募集したところ、あっという間に10倍の21人の応募がありました。
震災後の仮設や暮らし方の変化で、石巻も都会並みの単世帯(親と同居しない)が一気に増え、
子どもを見てくれるところさえあれば働きたいという20~30代の若い世代が、水産会社勤務未経験でもこんなに応募してくることを知りました。
高度なたらこ整形技術の伝承を自分たちが元気なうちにと、若い世代の雇用を社長に直訴した社員たちの想いも受け止め、社内に保育園をつくる決断をした社長。
来月から入社の平成30年度採用の製造部パート社員も、募集開始たった3日間で、求人数5倍以上の16人も応募がありました。
面接試験に2週間。
応募者多数のため人数を増やし4名採用。
双方が待ち望んでいた職場の出会いになってもらいたいなと願っています。
そんなわけで当社の取り組みをいろんな新聞やメディアに取り上げられました。
復興庁や宮城県、石巻市、東松島市、登米市などの自治体、遠くは神戸や大阪の企業など、雇用問題を何とかしたいと視察の依頼をたくさんいただくようになりました。
社長自らも保育に携われるよう「子育て支援員」の資格を取り、小さいながらも事務所の脇で大人みんなが見守る保育。去年の3月末には第1回目の卒園式が行われ、社員の休憩室で手づくりの心温まる式典が開かれました。
そして…、その4ヶ月後の平成29年7月、石巻市で初の内閣府による企業主導型保育事業の認可を受け、「湊水産・結のいえ保育園」が完成いたしました。
新園舎建設では、たくさんの方々にご尽力をいただき、多くの方から子どもたちへ必要な本や備品類などを贈っていただきました。
本当にありがとうございます。毎日大切に使わせていただいております。
床暖房にしたのも、寒冷地の石巻で、冬でも元気に動き回われるよう、靴下履かないで済むようにと、
週末週はじめのお布団持参や洗濯の負担も、働くお母さんの軽減になればと。お昼寝はいつもぐっすり気持ちよさそうです。
結のいえ保育園は安心・安全においても日々気を配っています。
それでも万が一の不測の事態に備えて、石巻市と東松島市の救命救急隊の方々に来ていただき、
講習会や毎月の避難訓練を実施、会社の敷地内にある「津波指定避難ビル」へ避難する訓練もしています。
結のいえ保育園は湊水産の社員だけでなく、石巻で働くお母さんお父さんも応援し、石巻が暮らしやすい街になるようお手伝いしていきたいです。
「おいしい!」の笑顔を増やす体験型食育イベント、「たらこ、つくろう。」が、延べ1,500人を突破しました!
相変わらず小学校をはじめとする学校関係からの依頼がありましたが、この1年は大人からの依頼も多く、多種多様な形でのお申込みをいただきました。
経営者ばかりの団体様、小学校の家庭教育学習(保護者様)、赤ちゃんを連れてのご参加、とても嬉しかったです
東京開催のプラチナフイッシュ様。団結力一番の雄勝小チームは先生チームより早く終わって先生を応援していました。
また、東京からは工学院大附属中学校の皆様が、今年も修学旅行で来てくれました。
暮れには伊達武将隊の皆様がツアーで来社されました。
「たらこ、つくろう。」を体験したお客様が語る言葉に「たらこがこんなに美味しいものだと思わなかった」と感想を話される方が必ずいます。
一度も冷凍しない工場できたてのたらこ明太子のお食事タイム。
このふわっふわっな食感。
これを冷凍発送しても解凍時に再現できる開発。
「工場に来なくてもお取り寄せで買いたい!」
そんなお客様の声をなんとか実現したくて商品開発にかけた日々。
「たらこ、つくろう。」をやらなかったらデビューはなかったかもしれません。
開発の結果、ご家庭でもつくりたての食感を味える、それが「ふわふわたらこ」の完成だったのです。
これをシリーズ化し、さらにこの1年で新たに商品開発をしたのが、「ふわふわ わさびたらこ(無着色)」です。
この「ふわふわ わさびたらこ(無着色)」が、今年の第42回宮城県水産加工品品評会で「宮城県知事賞」を受章いたしました。
製造メーカーとしては本当に嬉しい限りです。
新商品開発は並々ならぬ苦労がつきものですが、お客様の声を大事に、決して妥協しない、あきらめない品質へ、そんな風に社長と研究室の開発チームが一丸となって、これぞ!と思った渾身の商品が、こういう場で評価をいただけたことに心から感謝を申し上げます。
震災から8年目にむけたこれからの1年も、毎年同じように、一歩一歩、そして着実に前へ前へ、
湊水産の仲間たちと一緒に進んでまいりたいと思いますので、どうぞこれからも変わらぬご愛顧を賜りますようよろしくお願いいたします。
平成30年3月11日
湊水産株式会社
愛情たらこのみなと
店長 木村 朱見